美味しいものをいつまでも、食べていたいですよね?
平成29年の「国民健康・栄養調査」の結果の中に面白いデータがありましたのでご紹介します。

国民健康・栄養調査グラフ

この図は年齢別の「歯が20本以上ある人の割合」と「何でもかんで食べることができる」と答えた人の関係を表しています。
60歳くらいから「歯が20本以上ある人の割合」は減少し、それに伴って「何でもかんで食べることのできると答えた人の割合」も減少していきます。
歯の本数が少なくなると、食べられるものが減っていくことが分かります。
つまり20本以上歯があると、美味しいものを美味しく食べられるのです。

ではどのようにして生涯にわたり歯を20本以上残していけばいいでしょうか?

答えは「定期検診に通う」ことです。

以下データを使いながら定期検診・メンテナンスの重要性をお話していきます。

  • 歯の残る本数
  • 歯磨きだけでは歯が残せない理由
  • 定期検診ではどういうことをするの?
  • 定期検診の費用は?
  • 全身の健康はお口から

歯の残る本数

歯の残る本数グラフ

長崎大学の研究で
①定期健診に通う方
②ブラシング指導は受けたが定期検診には通わない方
③症状がある時だけ歯医者に通う方
 の生涯で歯の残る本数を検討しています。

まずはも形状で25本歯が残っている状態と5本残っている状態を模型上で再現してみました。

歯が20本残っているところと歯が5本残っているところ


最終的に残るのはこ、個人差もありますが糸切り歯、専門用語では犬歯が残ることが多いです。

それではグラフの説明を行っていきます。
①の定期健診に通う方は平均で80歳でも25本の歯が残っていますが、②の症状がある時だけ歯医者に通う方は80歳でほぼ残っている歯が0本、つまり総入れ歯となっています。

総入れ歯はどんなにしっかり作成しても元々の歯に比べて噛む力は20%程度になると言われています。
そう言った意味でも残っている歯が多い方が、お食事がしやすいことが分かります。

興味深いのは②のブラッシング指導は受けており、歯みがきには気をつけている方が、80歳では5本しか歯が残っていません。
写真で見てもらった通り、5本では見た目も、お食事も、困ってしまうことが分かります。

ではなぜ歯みがきを頑張っていても歯が残らないのでしょうか?

歯磨きだけでは歯が残せない理由

虫歯や歯周病はお口の中のばい菌によって引き起こされます。
歯みがきを頑張ることは非常に大切なことです。
しかしお口の中、歯の周りには歯ブラシだけでは落とせないばい菌が溜まっていきます。
それが一定値を超えてしまうと虫歯や歯周病が進行してしまいます。

歯磨きだけでは歯が残せない理由グラフ

グラフのように治療が終わり、お口の中がいい状態になっても、また元の状態に戻ってしまうのです。
そこで定期検診に通っていただき、専門の器具を用いて、歯ブラシでは取れない汚れを綺麗にしていくことが重要になります。

お口の状態のばい菌の後戻りに関しては様々な研究がなされています。
広く用いられているデータでは4ヶ月間隔の定期検診でお口の状態の悪化が少ないという結果になっています。

以上より当院では基本は4ヶ月〜6ヶ月に1回の定期検診、メンテナンスをお勧めしています。
年に2回から3回となる通えそうではないでしょうか?

痛くなり歯を抜いたり削ったりすると結局3ヶ月、半年と通わないといけなくなることが多いので期間の節約にもなりますし、歯科にかける費用も減らすことができます。
まだ定期検診、メンテナンスに通われてない方は是非、検討してください。

定期検診ではどういうことをするの?

定期健診ではどういうことをするの?

①ブラッシングチェック・ブラッシング練習
普段からのお手入れを見直して頂くことにより、虫歯や歯周病にならないためのホームケアを習得して頂きます。

②噛み合わせ、むし歯、歯周病のチェック、歯石とり、PMTC(担当衛生士によるプロフェッショナルクリーニング)お口の中全体を専用の器具を使用して清掃していきます。
クリーニングはお口の状態やご希望に合わせて、使う薬剤を変えたりしていきます。
きれいでツルツルになり気持ち良いと、皆様から好評です。

定期検診の費用は?

費用は歯周病の検査を行い、歯石とり等の必要がある場合に
3割負担の方で2000円から3000円ほど
1割負担の方で700円から1000円ほどとなります。

レントゲン検査や、虫歯の治療が必要な場合は別途必要です。

全身の健康はお口から

歯肉の炎症が全身に多くの影響を与えることが、昨今の研究で明らかになってきています。
歯周病も糖尿病も生活習慣病ですから互いに深い関係があって不思議ではありません。
毎日の食生活を含めた生活習慣を見直し、歯周病を予防する事が全身の生活習慣病を予防することにつながります。

ただし、歯周病が直接その病気を起こすわけではありません。
罹患率を高めたり、病状を憎悪させることがあるということです。

全身の健康はお口から


以下、歯周病が悪化すると症状が悪化しやすいもの、もしくは病気にかかるリスクが上がるものの一例を示しておきます。
・脳梗塞
・誤嚥性肺炎
・心筋梗塞
・心内膜炎
・動脈硬化
・糖尿病
・早産、低体重児出産

お口の健康を守ることが全身の健康につながることからも定期検診・メンテナンスは必須です。

以上「定期検診」「メンテナンス」「歯石とり」に関してまとめてみました。
もっと詳しく知りたかったり、治療のご希望がある場合はご連絡ください。

松山市の歯医者 あいはら歯科クリニック 院長 相原大樹でした。
https://www.aihara-dental-clinic.com
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