アメリカのカイスという学者が、むし歯の要因として、1歯の質、2糖質、3細菌を挙げています。
この3つがそろった ときにむし歯が発生するとして、「カイスの3つの輪」と呼ばれています。
むし歯予防には、この3つの要因に、同時に働きかけることが効果的です。
歯に対して
- 歯質の耐酸性の強化のため、家庭ではフッ素入りの歯磨剤を使い、1年に2〜4回は医療機関のみで使える高濃度のフッ素を塗布することが歯質の強化に有効であると報告されているため、定期的なフッ素塗布を当院でもお勧めしています。
- 汚れが溜まりやすい奥歯の溝という環境を改善するために必要に応じてシーラント処置を行います。またシーラントは持続的にフッ素を徐放することにより歯質強化にもつながります。シーラントは歯を削ったりすることがないことが利点ではありますが、その分すり減りやすかったり欠けたりするため定期的に確認していきます。
- また治療が上手にできないお子様も応急処置にて対応し、押さえつけたり無理をしてトラウマにならないよう慣れてもらってから治療をおこなったりすることも可能です。
フッ素の安全性について
フッ素を一度にたくさん摂取すると“フッ素中毒”を起こします(5mgF/体重(㎏))。
その目安は体重20㎏の子の場合で、
- 高濃度フッ素 … 100g入りチューブ1/10本以上
- 低濃度フッ素 … 50g入りチューブ2本以上となります。
適量使えば安全です。
糖に対して
- 糖をまったくとらない生活というのは不可能でありますので、ダラダラと食べ続けるのではなくおやつの時間等をしっかり決めて食べることをお勧めします。またご希望があれば、むし歯菌が酸にする事ができないキシリトールを使ったガム等も受付で販売しておりますのでご覧ください。
細菌に対して
- 年齢、成長に応じて限られた時間での効率的な磨き方(仕上げ磨き)や歯ブラシ等をご提案させていただきます。また普段の歯ブラシだけではとれない汚れを専門の機械を用いてクリーニングすることにより、お口の中が清潔に保たれ、むし歯リスクの高い悪玉菌の数自体も減らすことができます。
- 上記をきっちりおこなってもなお虫歯リスクが高い場合は、むし歯リスク検査を行い、専用マウスピースと薬剤を使って悪玉菌を直接たたき、歯質を強化する3DS(dental drug delivery system)もおこなっていますので希望される場合はお尋ねください。
子供の場合一番大切なことは「予防」です。
当院では、むし歯で苦しむお子様を一人でも減らしたいと真剣に取り組んでおります。
治療が苦手なお子様
お子様が歯医者で治療を怖がるのはよくあることで、習い事と同じく経験を積み重ねて少しずつできるようになるものです。
歯医者を嫌いになってしまうと、治療がスムーズに進まないだけではなく、ゆくゆくは将来の歯の健康にも影響してしまいます。
治療が苦手なお子様でも可能な限りステップを踏んで治療を行って行きます。
例えば、お口の中の水を吸ったり、器具を口の中に入れるなど治療に必要なことをひとつずつ小さな目標としてクリアーしてもらい、トレーニングを重ねながらしか治療を受ける準備をします。
どうしても痛みが強い時は応急処置等もできますので安心して来院してください。