突然ですが、子供(12歳以下)のむし歯が一番少ない県はどこかご存知ですか? 
愛媛県!といいたいところですが答えは新潟県です。
それもなんと18年連続で一位というダントツぶりです。
新潟県のむし歯のない12歳の割合は82.1%ですちなみに愛媛県の順位は47都道府県のうち24位です。
私自身も朝生田町で開業してお口のトラブルで悩む方が一人でも減ればと思い日々診療をしています。

トラブルが起きた後にしっかりと治療を行う、技術と知識も必要ですが、より簡単に悪くならないように子供のうちにしっかりと予防を行っていくことが根本的な解決となっていくと思います。
以下新潟県のむし歯予防の取り組みをホームページより抜粋します。

新潟県は昭和56年に子どものむし歯予防に重点を置いた「むし歯半減10か年運動」を開始しました。
当時は12歳児の90%以上がむし歯をもち、一人平均むし歯数が5本以上という状況でした。
それから35年以上にわたり、県は県歯科医師会、大学、県教育委員会等と連携を図りながら、全国に先駆けて、学校等における集団フッ化物洗口や、学校と歯科医院が連携したむし歯予防を積極的に推進してきました。  
その結果、12歳児のむし歯数は13分の1以下に減少し、12歳児の8割は、永久歯のむし歯(治療済も含む)が1本もありません。
http://www.pref.niigata.lg.jp/kenko/1356812238369.html

以上より、予防にはフッ素とむし歯予防に対する意識付けが非常に大切ということが分かります。 
そこで今回はフッ素に関してまとめていきます。

  • フッ素とは
  • フッ素の効率的な使い方
  • さらに効果を求めたい方
  • フッ素の安全性
  • フッ素の効果
  • フッ素塗布・定期健診の費用
フッ素の働きと使用法

フッ素とは?

フッ素は歯を強くする

まずはフッ素とは何でしょうか?
化学で習ったような気がしますが9番目の元素です。
塩素と同じ族になるため危険な感じがしますが、塩素の化合物である塩は安全ですよね。
自然界にも存在し、普段食べている食事の中にもフッ化物(フッ素化合物)として含まれます。
歯の主成分はハイドロキシアパタイトというものです。
これがフッ素を取り込むことによりフロールアパタイトという構造に置換されていきます。
フロールアパタイトはハイドロキシアパタイトに比べ酸に対する耐性が強いです。
むし歯菌が出す酸に対して強くなるため、むし歯になりにくくなるわけです。

むし歯菌の活動を抑える

フッ素はむし歯菌に対しても効果があります。
歯ブラシで落としきれなかったプラーク(歯垢)中に潜んでいるむし歯原因菌がだすエノラ-ゼ、フォスフォグリセロムタ-ゼという酵素の働きを弱め、酸が作られるのを抑えます。

歯の再石灰化を促す

初期むし歯の場合、以前は削って治療を行っていましたが、現在ではフッ素を塗布しながら、再石灰化を期待して、定期健診で確認していく方法が主流になっています。 
私のバイブルである「う蝕治療のガイドライン」でも初期むし歯に対しても強く推奨されています。
http://www.hozon.or.jp/member/publication/guideline/file/guideline_2015.pdf

フッ素は、食べ物の中にあるならわざわざ塗らなくてもいいのではないか?という疑問がわいてきますが、歯を強くしていくためには食事だけでは量が足りません。
そのため、フッ素塗布は非常に重要になります。それではフッ素の効果的で安全な使い方について説明します。

フッ素の効率的な使い方

歯科医院で高濃度のフッ素を年に2~4回ほど塗布することと、家庭でフッ素入りの歯磨剤を使用することで効果がでるという報告があり、多くの歯科医院でも取り入れています。
歯科医院での高濃度のフッ化物の濃度 9000ppm

家庭用での低濃度のフッ化物濃度は950ppm程度のものを使用するのが望ましいとされています。
薬事法でフッ素濃度は決められていますので、市販品は大体これくらいの濃度のものが販売されています。
最近ではフッ素の効果が認められ、大人用のものは1500ppmまで認可されるようになっていますので薬局や歯医者で興味がある方は見てみてくださいね。

フッ素の効率的な使い方

さらに効果を求めたい方

フッ化洗口という方法もあります。
お勧めするのは週1回法という方法で900ppmのフッ化ナトリウムを約1分間ブクブクとうがいをして吐き出すことで効果がでやすいと言われています。飲み込む危険性等も考慮して一般的に小学生になってからお勧めするようにしています。

フッ素の安全性

フッ素の害などが言われていますが、塩も生きていく上では必要なものですが、とりすぎすると高血圧になると言われたりします。
フッ素についても用法容量を守れば、大丈夫です。
フッ素を摂取して骨肉腫やガンになったというようなものを見かけますが、原因は他の要因が考えられます。
色々と検証がされていますが「悪魔の証明」と一緒で関連がないことを完全に証明するのは非常に難しいことです。
現在のところはガンなどとは関連は極めて低いと考えられます。

またフッ素を一度にたくさん摂取すると“フッ素中毒”という状態を起こす可能性があります。(5mgF/体重(㎏))。

その目安は体重20㎏の子の場合で、
・高濃度フッ素 … 100g入りチューブ1/10本以上
・低濃度フッ素 … 50g入りチューブ2本以上となります
 適量使えば安全なことが、おわかりいただけましたか?
 使って効果のあるものはしっかり使っていくことが生きていくうえで重要なことではないでしょうか?

フッ素の効果

フッ素の効果に関しては文献により多少のバラツキがありますが、これくらいのむし歯の発生抑制に効果があります。フッ化物配合歯磨剤使用 約40% 長期間使用60%
フッ化物歯面塗布  約45%
フッ化物洗口週一回法 50%
虫歯になりにくくするのに効果は非常に高いですが、完全に虫歯にならないわけではありません。
そこで大切になるのが、歯科医院で日々のお手入れをしっかり確認することです。
適切なブラッシングが出来きて、ハブラシで取れない汚れを歯科医院で定期的にクリーニングすることによりむし歯の発生率は限りなくゼロに近づけることが出来ると考えています。
以上フッ素についてまとめてみました。
次回はシーラントについてまとめていきます。
こちらから

またあいはら歯科クリニックでも家庭で使えるフッ素ジェルの販売を始めています。
見るだけ、説明だけでも結構です。是非ご来院ください。

フッ素の効果

フッ素塗布・定期健診の費用

当院ではむし歯のないお子様を一人でも増やすため、フッ素塗布に関しては、無料で行っています。トータルの管理費や指導料等を含めて、健康保険の一部負担金で1500円か2000円ほどで行えます。 

松山市の歯医者 トイザらス横のあいはら歯科クリニック院長 相原 大樹でした。
https://www.aihara-dental-clinic.com

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